膀胱癌について
今回は、膀胱癌について
国試的には、urotherial carcinoma(UC、尿路上皮癌)が多数を占めることや、再発が多いという特徴は重要である。
- 実習を通して見た膀胱癌の臨床
初期症状としては、ほぼ血尿であった。(肉眼的血尿は有名)他は、検診で見つかったりなど。
外来で肉眼的血尿を見たら、まず癌腫を疑い、膀胱鏡を行う。
膀胱鏡は検診でも行うが、ここで癌腫らしきものを認めた場合はTUR-BTに変更。組織を削る。その後、病理へ。
ここで病理によってそのステージ(主に壁深達度:TNM分類におけるT)を診断。
*T1の場合、secondTUR-BTをする必要あり。これは、再発予防などの効果あり。
T2以上で筋層浸潤+であるため、膀胱全摘がfirst choiceとなる。
Prader-Willi症候群について
国試を解くうえで知っておくべきこと
Prader-Willy syndrome
①原因~染色体15q欠失
②症状
H3O+アーモンド様眼裂+低身長
※H3O
↓
hypotonia(筋緊張低下)
hypogonadism(性腺発育不全)
hypomentia(知能低下)
obesity(肥満)
floppy infant生じる!!
cAMP(サイクリックAMP)
腫瘍病理について
7月20日 病理臨時授業
腫瘍病変について
分け方
良性→上皮性
非上皮性
悪性→上皮性=癌
非上皮性=肉腫
+
浸潤性
or
非浸潤性
(浸潤性かどうかの見分け方~病理画像において、腫瘍が基底膜を超えているかどうか)
(浸潤性だと、抗がん剤治療、非浸潤性だと、その部分の摘出でok)
※上皮性or非上皮性の見分け方
病理画像において、細胞に結合性がある=上皮性
基本的に、上皮性とは腺管上皮細胞からのもの=分泌関連は上皮性
紡錘型細胞=非上皮性腫瘍
結合性がない=造血器腫瘍
※リンパ腫=悪性
※肉下種≠腫瘍、肉下種は組織球の集合体
※血腫=血管外での血の塊
※精巣上皮=上皮性でない。でも悪性。
※神経内分泌腫瘍=上皮性(gradeの高いものはカルチノイドと呼ばれる)
※腫瘍=塊という意味
ex) 結節性甲状腺腫
サイトカイン
インターロイキン(IL)
* 白血球が分泌する.
ケモカイン
* 白血球の遊走を制御する.
インターフェロン(IFN)
* 異物が侵入した際に分泌される.抗ウイルス作用が主.
造血因子 (CSF)
* 血液細胞・免疫細胞の増殖・分化を支持する.
* G-CSF, M-CSF, エリスロポエチン
細胞増殖因子
* EGF, FGF, TGFなど
細胞壊死因子 (TNF)
* 細胞死を誘導
* TNF-α, TNF-β
効果による分類:
炎症を誘導 (樹状細胞・マクロファージが分泌)
* TNF-α
* IL-1
* IL-6
* IL-12
* IFN-γ
炎症を抑制
IL-4
IL-10
IL-13
* いずれもTh1細胞の分化を抑制
白血球の分化・増殖 (ヘルパーT細胞が分泌)
IL-2
* T細胞の増殖
IL-4
* Th2細胞の分化
貪食細胞の活性化 (ヘルパーT細胞が分泌)
IFN-γ
* マクロファージの活性化
IL-5
* 好酸球の活性化
ヘルパーT細胞の分化に対する効果:
Th1
* IL-12によって分化しIL-2, IFN-γ, TNF-αなどを分泌
* CTL(細胞傷害性T細胞)やNK細胞による細胞性免疫を活性化
* 細胞内寄生細菌やウイルスに感染した細胞の処分
Th2
* IL-4によって分化しIL-4, IL-6, IL-5, IL-13などを分泌
* B細胞による液性免疫を活性化
* 寄生虫や細胞外の細菌を排除
Th17
* TGF-βとIL-6の2つによって分化しIL-17, IL-2, IL-6, TNF-αなどを分泌
* 炎症を誘導する.
Treg (制御性T細胞)
* TGF-βによって分化しIL-10, TGF-βなどを分泌
* 免疫反応を抑制する.
*免疫を誘導=炎症性
血液内科整理事項
・骨髄所見について
標本は、スメア(細胞の形詳しく)と圧挫標本(骨髄の全体像確認)がある。
赤色髄:黄色髄(脂肪髄)=1:1(目安)
好中球~骨髄芽芽球(核小体確認できたらこれ)→(どんどん核がくびれていく)→前骨髄球や後骨髄球→桿状球(核が2葉)→分葉球(核が3葉)
巨核球~血小板がここからちぎれていく(その像は確認可能、端に何か分裂しているような)。とにかく一番大きい細胞を見たらこれ。
形質細胞~細胞自体は楕円形。核が端に寄っている。核周囲明庭(核周囲が微妙に白い)確認可能。
※骨髄芽球が30%以上(WHO分類)だと急性白血病。それからはMPO(ミエロペルオキシダーゼ染色して骨髄性かリンパ性か判断・基準は3%)
・AML、CMLについて。
AMLは、芽球が増殖→他の造血能が障害→pancytopenia
骨髄所見は、芽球の腫瘍性増殖
※M3(前骨髄球性急性白血病)~
CMLは、すべての系統が増殖→血球多すぎ→過粘稠症候群etc
骨髄所見はとにかく窮屈な感じ・脂肪髄が少ない(一見にしかずな感じ)
AMLに比べて症状少ない。とにかく怖いのは急性転化。急性転化は、CMLに新たな遺伝子異常が加わることによって生じるらしいが、急性転化してしまったらほぼ死ぬ。そのため治療の目的は急性転化する前に押さえること。近年は薬
剤の進歩により急性転化減少。
※25%程度にPh染色体陽性←予後不良因子
※Ph染色体(フィラデルフィア染色体について)
t(9;22)→BCR/ABL遺伝子(転座により合体した)生じる。これが生じた染色体をPh染色体と呼ぶ→転写されてBCR/ABLチロシンキナーゼ生じる。これが細胞のアポトーシス抑制。→腫瘍性増殖