仕事を早くするーマルチタスクを意識すること ※論文引用
今年ももうすぐ終わりですね。
みなさんは、今年一年で何を成し遂げたでしょうか?
この質問に即答できる方々はそんなに多くないんじゃないかと思います。
日々与えられるタスクをこなし、気づけば時間が過ぎていることの多い現代で、
自分の存在意義を実感するためにも、
「日々自分が何をこなしているのか」
を明確にする(できるだけ言葉にする)必要があります。
最終的にそこにたどり着くお話しをします。
みなさん、「マルチタスク」って知っていますか?
マルチタスクとは、
「複数の作業を同時にもしくは短期間に並行して切り替えながら実行すること」です。
現時点でマルチタスクは、
●仕事を遅くする。
●脳が萎縮する
●記憶力が下がる
●結果的になにも結果が残せない
などと、批判的な評価が下されています。
例えを挙げるなら、
みなさんは仕事でパニックになったことありませんか?
何か失敗をしてしまってとかではなく、やるべき仕事が多くてパニックになることです。
それがまさにマルチタスクの怖さです。
一度にたくさんの物事をこなそうとすると、普通の人間はパニックになってしまいます。
なぜなら、人間は厳密にはマルチタスクを行うことが出来ないからです。
でも、やるべきことがひとつしかないなんてことは生きていてあり得ないですよね。
なので重要なのは、
●優先順位をつけること
●今やっている仕事をしている最中に他の仕事をしないこと
これを徹底することが重要です。
ここまでは、いろんなサイトやyoutuberが触れている部分なので簡略化して説明しました。
今回私がお伝えしたいのは、
「マルチタスクをするのではなく、マルチタスクを意識することで仕事効率が上がる」
ということです。
実際に、文献を紹介します。
→"The illusion of multitasking boosts performance"
雑誌は、Association of Psycological scienceです。
以下に内容をまとめます。
Michigan大学のShalena Srna研究者は、
「シングルタスクやマルチタスクのどちらを行っているかに限らず、マルチタスクを自分は行っているという認識はパフォーマンスを向上させる。」
と言っている。
人間は一度に複数のタスクに注意を向ける事はできないようになっているが、たいていは二つ以上のタスクに従事している。
実験をした。
162人にAnimal Planetに関するビデオを見せ、ノートをとらせた。その際に、以下の様にそれぞれの意識を二つのグループに分けた。
①授業のノートをとる。(シングルタスク)
②授業を聞きながら、ノートもとる。(マルチタスク)
実際に行っている事は同じであるが、
マルチタスクだと認識している②のグループの方が
ノートにたくさんの文字を残し、正確であり、理解度も高かった。
このような結果は、他の実験でも得られた。
なぜ、マルチタスクと認識するほうが効率がよくなるのか。
上記の実験では、対象者の瞳孔がマルチタスクと認識しているグループの方で大きくなっていた。
このことより、マルチタスクと認識するほうがそのタスクに対しての集中力が増したのではないかと研究グループは仮定している。
これは、決してマルチタスクを行いなさいと伝えているわけではなく、マルチタスクを行っているという認識をすること自体は決して悪いことではないことを意味している。
以上が文献の内容である。
いかがでしょうか。
様々なサイトや論文でマルチタスクはよくないと言われていますが、実際にはマルチタスクを強いられる状況におかれることが多く、
マルチタスクとの付き合い方を考え直す、認識を改めるきっかけになりましたでしょうか。
今回この文章を書くにあたってマルチタスクについての記載を読み漁りましたが、
結局のところ、マルチタスクで重要なのは、
①タスクを細分化する(タスク内容を明確にして、分別する)
②タスクに優先順位をつける
③やると決めたタスクを行っているときには、他のタスクは後回しにする(割り切ることが大事)
でした。
今回の文献の内容は、①でタスクを細分化する際に役立ってくる内容だと考えられます。
また、ごちゃごちゃになっているタスクを細分化することは、自分がどのタスクを行っているかを明確にする効果もあり、仕事に更なる達成感を与えてくれることでしょう。