ヒビスタ日記

泌尿器科医師のブログ。日本人の泌尿器科リテラシーが上がることを願って記事書きます。

ばち指

 

〈ばち指認められる疾患〉

 

・呼吸器系

肺癌・気管支拡張症・特発性肺線維症・COPD肺気腫

 

・循環器系

感染性心内膜炎・チアノーゼを認める先天性心疾患

 

・消化器系

潰瘍性大腸炎クローン病・肝硬変

 

・内分泌系

甲状腺性肢端肥大症・副甲状腺機能亢進症

 

※鉄欠乏性貧血は、スプーン状爪

ランゲルハンス組織球症(LHC)

 

ランゲルハンス組織球症とは、70~80%が小児に発症する。(男児に多い)

 

原因

免疫に関与するランゲルハンス細胞が何らかの原因によって増殖することによる。

その結果、骨を溶かしたり、瘤を形成する。

 

症状

皮膚病変

骨病変~多い

肺病変~肺胞壁破壊→気胸(成人での発症では、肺病変のみということ多い)

消化器病変

視床下部・下垂体病変~ADH分泌不全→尿崩症

脳病変~性格変化や四肢のふるえなど

腸回転異常症

 

腸回転異常症は、小児疾患である。

 

発生の段階で正常であれば腸管動脈を中心に270度程回転することによって腸の位置固定が行われるが、それが傷害された状態。

下記の腸の状態が一番多い。

固定(上行結腸、下行結腸、十二指腸)がうまくされていないため、何かをきっかけに中腸軸捻転を生じる(生後1か月以内に約80%の患者さんで中腸軸捻転による症状がでる)。放置すると腸管壊死。また、手術後は腸が短くなり(短小腸)、消化不良を生じる場合がある。

 

治療

開腹手術

 

malrotation.gif

※引用:腸回転異常症 — 日本小児外科学会

肝肺症候群

 

肝肺症候群とは、慢性肝疾患の患者にみられる疾患である。

明らかな原因は不明であるが、

慢性肝疾患により毛血管拡張物質が分泌され、肺の毛細血管を拡張する。

肺において、換気血流不均衡が生じ低酸素血症となる。

 

肝疾患が治癒すれば治癒する可能性があるが、基本的に予後不良

 

治療

酸素投与・血管収縮物質(ソマトスタチン、NO合成阻害剤)

(先天性)胆道閉鎖症

 

(先天性)胆道閉鎖症は、先天性の小児科疾患である。

 

原因

不明(遺伝性は明らかになっていない)

 

病態

胆道の閉鎖により、胆汁のうっ滞が生じる

 

症状

眼球結膜の黄染・便がクリーム色

進行すると、

肝臓が硬く触れれるようになる・脂溶性VitであるVitK吸収が阻害され出血傾向となる。

 

検査

胆道造影検査

 

治療

肝臓の外の胆管をすべて取り除き,肝臓側の断端を腸管で被うように,肝臓そのものと腸管とを吻合する方法(葛西手術)が行われる。

腸管を用いるこの胆道再建方法の基本は Roux-en Y型空腸吻合術(図左)という方法である。

この手術でもうまくいかない場合は、肝硬変が進んでしまうため、肝移植を行うしかない。