ヒビスタ日記

泌尿器科医師のブログ。日本人の泌尿器科リテラシーが上がることを願って記事書きます。

腸回転異常症

 

腸回転異常症は、小児疾患である。

 

発生の段階で正常であれば腸管動脈を中心に270度程回転することによって腸の位置固定が行われるが、それが傷害された状態。

下記の腸の状態が一番多い。

固定(上行結腸、下行結腸、十二指腸)がうまくされていないため、何かをきっかけに中腸軸捻転を生じる(生後1か月以内に約80%の患者さんで中腸軸捻転による症状がでる)。放置すると腸管壊死。また、手術後は腸が短くなり(短小腸)、消化不良を生じる場合がある。

 

治療

開腹手術

 

malrotation.gif

※引用:腸回転異常症 — 日本小児外科学会

肝肺症候群

 

肝肺症候群とは、慢性肝疾患の患者にみられる疾患である。

明らかな原因は不明であるが、

慢性肝疾患により毛血管拡張物質が分泌され、肺の毛細血管を拡張する。

肺において、換気血流不均衡が生じ低酸素血症となる。

 

肝疾患が治癒すれば治癒する可能性があるが、基本的に予後不良

 

治療

酸素投与・血管収縮物質(ソマトスタチン、NO合成阻害剤)

(先天性)胆道閉鎖症

 

(先天性)胆道閉鎖症は、先天性の小児科疾患である。

 

原因

不明(遺伝性は明らかになっていない)

 

病態

胆道の閉鎖により、胆汁のうっ滞が生じる

 

症状

眼球結膜の黄染・便がクリーム色

進行すると、

肝臓が硬く触れれるようになる・脂溶性VitであるVitK吸収が阻害され出血傾向となる。

 

検査

胆道造影検査

 

治療

肝臓の外の胆管をすべて取り除き,肝臓側の断端を腸管で被うように,肝臓そのものと腸管とを吻合する方法(葛西手術)が行われる。

腸管を用いるこの胆道再建方法の基本は Roux-en Y型空腸吻合術(図左)という方法である。

この手術でもうまくいかない場合は、肝硬変が進んでしまうため、肝移植を行うしかない。

FISH法

http://www.e-cew.co.jp/Microbe-contents/21fish.html

FISH法(fluorescence in situ hybridization)とは、rRNAを標的とした検査である。

 

rRNAに結合する特異的な蛍光体付きのプローブを使用することによって、

医学分野では遺伝子のマッピングや染色体異常の検出

微生物分野ではその特異的な細胞内構造の検出

を行っている。

 

FISH

※引用:FISH法

神経芽腫

 

神経芽腫とは、代表的な小児疾患の一つである。

小児の固形腫瘍の中で2番目に多い。1番は脳腫瘍(種類多い)

 

発症原因は不明(遺伝ではないらしい)

発生場所で多いのは、副腎髄質・交感神経管(脊柱の横にある)・縦隔

 

検査

レントゲン・エコー・CT・MIBGシンチグラフィー

尿中VMA・HVA検査

 

治療

手術・放射線(小児に対しては副作用強いためあまりやらない)・化学療法

※化学療法は、シスプラチン・シクロホスファミドなど

 

予備知識

昔はスクリーニング検査を行っていたが、本来自然消失するような神経芽腫患者も手術するようになってしまったため過剰医療として止めになった。

MYCNが予後不良因子。