ヒビスタ日記

泌尿器科医師のブログ。日本人の泌尿器科リテラシーが上がることを願って記事書きます。

腫瘍病理について

7月20日 病理臨時授業 腫瘍病変について 分け方良性→上皮性 非上皮性悪性→上皮性=癌 非上皮性=肉腫+浸潤性or非浸潤性(浸潤性かどうかの見分け方~病理画像において、腫瘍が基底膜を超えているかどうか)(浸潤性だと、抗がん剤治療、非浸潤性だと、そ…

サイトカイン

インターロイキン(IL) * 白血球が分泌する.ケモカイン * 白血球の遊走を制御する.インターフェロン(IFN) * 異物が侵入した際に分泌される.抗ウイルス作用が主.造血因子 (CSF) * 血液細胞・免疫細胞の増殖・分化を支持する.* G-CSF, M-CSF, エリスロポエ…

血液内科整理事項

・骨髄所見について 標本は、スメア(細胞の形詳しく)と圧挫標本(骨髄の全体像確認)がある。 赤色髄:黄色髄(脂肪髄)=1:1(目安) 好中球~骨髄芽芽球(核小体確認できたらこれ)→(どんどん核がくびれていく)→前骨髄球や後骨髄球→桿状球(核が2葉)…

腎臓の染色による違い

主に、 HE染色 PAS染色 PAM染色 の使い分けについて。 ・HE染色 全体的に染まる。よって、主に見ようとするのは、核の形!(それ以外のことは判断しにくい) ・PAS染色 基底膜、メサンギウム、細胞の形を見れる。主に見ようとするのはメサンギウム! ・PAM染色…

小児てんかん

100人に1人の頻度 発症時期は、乳児期や学童期に多い (原因による分類) 特発性てんかん〜原因不明 症候性てんかん〜先天性のものや疾患に続く (症状による分類) ・部分発作 単純発作 複雑部分発作(意識障害が伴う→フラフラしたりする) ・全般発作 欠伸発作(…

抗凝固剤の作用機序

・EDTA 2価の金属イオンをキレートする作用があるため、血液凝固に必要なカルシウムイオンをキレートすることにより抗凝固作用を示す。 偽血小板減少症が見られることがある。 ・ヘパリン アンチトロンビンⅢの補因子として働くため、アンチトロンビンの抗ト…

胃全摘により生じること

1吸収障害 Caや、脂肪の吸収障害により、骨粗しょう症、骨軟化症、巨赤芽球性貧血(VitD吸収障害による)が、生じる。 2ダンピング症候 《早期ダンピング症候群》 食後早期に生じる。 《晩期ダンピング症候群》 食後2〜3時間で生じる。 ともに、血流不足により…

18トリソミー(エドワード症候群について)

エドワード症候群(18トリソミー) 1/3000〜1/10000人の頻度で見られる先天性疾患である。 妊娠中に50-90%が淘汰され、生後生存率は、2ヶ月までには半数が亡くなり、1年生存率は10%程度である。 (臨床症状) 耳介奇形(低位もある) 後頭部の突き出し 首が…

人工心肺装置による肺へのダメージについて

手術などによって人工心肺装置を装着した場合には、肺へのダメージが懸念される。 これは、人工心肺を使用することによって血液が人工心肺装置のチューブを走るため、ストレスがかかり、これによって好中球が活性化するため。 好中球が活性化することによっ…

呼吸音

●連続性←吸気時、呼気時ともに聞ける(気管支以上の病変) stridor、wheezes、rhonchi ●断続性←吸気時のみ聞けるやつ(吸気時だけど、肺胞病変) course crackles、fine crackles *上気道とは、気管支より上 *下気道とは、気管支以下

抗凝固と抗血小板

抗凝固:凝固因子による血栓(白色血栓)を予防する。静脈での血栓。抗「凝固」。 例)ヘパリン、ワーファリン 抗血小板:血小板による血栓(赤色血栓)を予防する。動脈での血栓。抗「血小板」。 例)アスピリン、クロピドグレル

慢性心不全に対するβブロッカー使用効果

慢性心不全に対して、βblockerを使用すること多い。(今では、予後を改善することが分かっているためよく使用される) ※もちろん、多量に使用すると心臓の動きが悪くなって逆効果 (使用するときは、少量から開始し少しずつ増やしていく) βblockerに期待す…

高炭酸ガス血漿

高炭酸ガス血漿 原因 閉塞性呼吸困難(COPD・肺気腫)・胸膜疾患・呼吸中枢障害 病態 二酸化炭素の排出が不十分となり、動脈血中の二酸化炭素濃度が上昇する。 ↓ 中枢神経、呼吸中枢の障害 ↓ ↑(悪循環) CO2ナルコーシス ※急性期の症状としては、交感神経の…

ばち指

〈ばち指認められる疾患〉 ・呼吸器系 肺癌・気管支拡張症・特発性肺線維症・COPD・肺気腫 ・循環器系 感染性心内膜炎・チアノーゼを認める先天性心疾患 ・消化器系 潰瘍性大腸炎・クローン病・肝硬変 ・内分泌系 甲状腺性肢端肥大症・副甲状腺機能亢進症 ※…

ランゲルハンス組織球症(LHC)

ランゲルハンス組織球症とは、70~80%が小児に発症する。(男児に多い) 原因 免疫に関与するランゲルハンス細胞が何らかの原因によって増殖することによる。 ↓ その結果、骨を溶かしたり、瘤を形成する。 症状 皮膚病変 骨病変~多い 肺病変~肺胞壁破壊→…

横隔神経の走行

横隔神経

気になる筋肉

・大胸筋の付き方 鎖骨の内側1/3、胸骨、肋軟骨、腹直筋鞘、上腕骨 ・

腸回転異常症

腸回転異常症は、小児疾患である。 発生の段階で正常であれば腸管動脈を中心に270度程回転することによって腸の位置固定が行われるが、それが傷害された状態。 下記の腸の状態が一番多い。 固定(上行結腸、下行結腸、十二指腸)がうまくされていないため、…

肝肺症候群

肝肺症候群とは、慢性肝疾患の患者にみられる疾患である。 明らかな原因は不明であるが、 慢性肝疾患により毛血管拡張物質が分泌され、肺の毛細血管を拡張する。 肺において、換気血流不均衡が生じ低酸素血症となる。 肝疾患が治癒すれば治癒する可能性があ…

(先天性)胆道閉鎖症

(先天性)胆道閉鎖症は、先天性の小児科疾患である。 原因 不明(遺伝性は明らかになっていない) 病態 胆道の閉鎖により、胆汁のうっ滞が生じる 症状 眼球結膜の黄染・便がクリーム色 進行すると、 肝臓が硬く触れれるようになる・脂溶性VitであるVitK吸収…

FISH法

http://www.e-cew.co.jp/Microbe-contents/21fish.html FISH法(fluorescence in situ hybridization)とは、rRNAを標的とした検査である。 rRNAに結合する特異的な蛍光体付きのプローブを使用することによって、 医学分野では遺伝子のマッピングや染色体異…

神経芽腫

神経芽腫とは、代表的な小児疾患の一つである。 小児の固形腫瘍の中で2番目に多い。1番は脳腫瘍(種類多い) 発症原因は不明(遺伝ではないらしい) 発生場所で多いのは、副腎髄質・交感神経管(脊柱の横にある)・縦隔 検査 レントゲン・エコー・CT・MIBGシ…

肺性心

COPDなどによって、拡散障害↓肺毛細血管へのO2供給低下↓肺毛細血管はO2低下によって収縮し、他の肺毛細血管に血流を送るようになる(体血管とは逆:体血管は、O2足りないと血管拡張して血流を増やそうとする)↓肺動脈圧上昇↓右心房負荷=肺性心