cAMP(サイクリックAMP)
腫瘍病理について
7月20日 病理臨時授業
腫瘍病変について
分け方
良性→上皮性
非上皮性
悪性→上皮性=癌
非上皮性=肉腫
+
浸潤性
or
非浸潤性
(浸潤性かどうかの見分け方~病理画像において、腫瘍が基底膜を超えているかどうか)
(浸潤性だと、抗がん剤治療、非浸潤性だと、その部分の摘出でok)
※上皮性or非上皮性の見分け方
病理画像において、細胞に結合性がある=上皮性
基本的に、上皮性とは腺管上皮細胞からのもの=分泌関連は上皮性
紡錘型細胞=非上皮性腫瘍
結合性がない=造血器腫瘍
※リンパ腫=悪性
※肉下種≠腫瘍、肉下種は組織球の集合体
※血腫=血管外での血の塊
※精巣上皮=上皮性でない。でも悪性。
※神経内分泌腫瘍=上皮性(gradeの高いものはカルチノイドと呼ばれる)
※腫瘍=塊という意味
ex) 結節性甲状腺腫
サイトカイン
インターロイキン(IL)
* 白血球が分泌する.
ケモカイン
* 白血球の遊走を制御する.
インターフェロン(IFN)
* 異物が侵入した際に分泌される.抗ウイルス作用が主.
造血因子 (CSF)
* 血液細胞・免疫細胞の増殖・分化を支持する.
* G-CSF, M-CSF, エリスロポエチン
細胞増殖因子
* EGF, FGF, TGFなど
細胞壊死因子 (TNF)
* 細胞死を誘導
* TNF-α, TNF-β
効果による分類:
炎症を誘導 (樹状細胞・マクロファージが分泌)
* TNF-α
* IL-1
* IL-6
* IL-12
* IFN-γ
炎症を抑制
IL-4
IL-10
IL-13
* いずれもTh1細胞の分化を抑制
白血球の分化・増殖 (ヘルパーT細胞が分泌)
IL-2
* T細胞の増殖
IL-4
* Th2細胞の分化
貪食細胞の活性化 (ヘルパーT細胞が分泌)
IFN-γ
* マクロファージの活性化
IL-5
* 好酸球の活性化
ヘルパーT細胞の分化に対する効果:
Th1
* IL-12によって分化しIL-2, IFN-γ, TNF-αなどを分泌
* CTL(細胞傷害性T細胞)やNK細胞による細胞性免疫を活性化
* 細胞内寄生細菌やウイルスに感染した細胞の処分
Th2
* IL-4によって分化しIL-4, IL-6, IL-5, IL-13などを分泌
* B細胞による液性免疫を活性化
* 寄生虫や細胞外の細菌を排除
Th17
* TGF-βとIL-6の2つによって分化しIL-17, IL-2, IL-6, TNF-αなどを分泌
* 炎症を誘導する.
Treg (制御性T細胞)
* TGF-βによって分化しIL-10, TGF-βなどを分泌
* 免疫反応を抑制する.
*免疫を誘導=炎症性
血液内科整理事項
・骨髄所見について
標本は、スメア(細胞の形詳しく)と圧挫標本(骨髄の全体像確認)がある。
赤色髄:黄色髄(脂肪髄)=1:1(目安)
好中球~骨髄芽芽球(核小体確認できたらこれ)→(どんどん核がくびれていく)→前骨髄球や後骨髄球→桿状球(核が2葉)→分葉球(核が3葉)
巨核球~血小板がここからちぎれていく(その像は確認可能、端に何か分裂しているような)。とにかく一番大きい細胞を見たらこれ。
形質細胞~細胞自体は楕円形。核が端に寄っている。核周囲明庭(核周囲が微妙に白い)確認可能。
※骨髄芽球が30%以上(WHO分類)だと急性白血病。それからはMPO(ミエロペルオキシダーゼ染色して骨髄性かリンパ性か判断・基準は3%)
・AML、CMLについて。
AMLは、芽球が増殖→他の造血能が障害→pancytopenia
骨髄所見は、芽球の腫瘍性増殖
※M3(前骨髄球性急性白血病)~
CMLは、すべての系統が増殖→血球多すぎ→過粘稠症候群etc
骨髄所見はとにかく窮屈な感じ・脂肪髄が少ない(一見にしかずな感じ)
AMLに比べて症状少ない。とにかく怖いのは急性転化。急性転化は、CMLに新たな遺伝子異常が加わることによって生じるらしいが、急性転化してしまったらほぼ死ぬ。そのため治療の目的は急性転化する前に押さえること。近年は薬
剤の進歩により急性転化減少。
※25%程度にPh染色体陽性←予後不良因子
※Ph染色体(フィラデルフィア染色体について)
t(9;22)→BCR/ABL遺伝子(転座により合体した)生じる。これが生じた染色体をPh染色体と呼ぶ→転写されてBCR/ABLチロシンキナーゼ生じる。これが細胞のアポトーシス抑制。→腫瘍性増殖
腎臓の染色による違い
主に、
HE染色
PAS染色
PAM染色
の使い分けについて。
・HE染色
全体的に染まる。よって、主に見ようとするのは、核の形!(それ以外のことは判断しにくい)
・PAS染色
基底膜、メサンギウム、細胞の形を見れる。主に見ようとするのはメサンギウム!
・PAM染色
主に見ようとするのは基底膜!(基底膜の肥厚や二重膜化など)
*PAM染色は、PAS染色の行程の後に行程を加えて基底膜を観察しやすくしたもの。
小児てんかん
100人に1人の頻度
発症時期は、乳児期や学童期に多い
(原因による分類)
特発性てんかん〜原因不明
症候性てんかん〜先天性のものや疾患に続く
(症状による分類)
・部分発作
単純発作
複雑部分発作(意識障害が伴う→フラフラしたりする)
・全般発作
欠伸発作(ぼーっとする症状)
強直間代発作(1分程度の発作後、数時間の睡眠や頭痛など)
脱力発作
ミオクロニー発作(軽症のものはピクッとなるだけで気付かれないことも)
*熱性てんかん
発熱を伴うてんかんのこと
発熱により、脳の気質異常が起きることを懸念する(小児のインフルエンザには注意)
時々、乳児重症ミオクロニー発作(熱性てんかんを契機に発症し、その後熱を伴わずともてんかんを起こすようになってしまうもの)といった難治性のものが隠れている。
*West症候群
小児難治性てんかん症候群の一つ
1.てんかんスパスムスのシリーズ形成
2.ヒプスアリスミア
3.知能精神発達の停滞、退行
を3徴とする。
治療は、抗てんかん薬
(部分発作には、フェニトイン、カルバマゼピンetc
全般発作には、バルプロ酸etc)
抗凝固剤の作用機序
・EDTA
2価の金属イオンをキレートする作用があるため、血液凝固に必要なカルシウムイオンをキレートすることにより抗凝固作用を示す。
偽血小板減少症が見られることがある。
・ヘパリン
アンチトロンビンⅢの補因子として働くため、アンチトロンビンの抗トロンビン作用を促進して抗凝固作用を示す。
・クエン酸ナトリウム
こちらもカルシウムイオンと結合することによって抗凝固作用を示す。
血液容積が変化するため、血算には用いない。
・フッ化ナトリウム
こちらもカルシウムイオンと結合することによって抗凝固作用を示す。
解糖系酵素などの様々な酵素活性を阻害するため、主にグルコースを測定する際に用いられる。
・ACD
溶液中のクエン酸とカルシウムイオンとを結合させることによって抗凝固作用を示す。
赤血球が良好な状態で保存されるため、輸血用血液保存に主に使用される。